こんにちは。鹿児島市荒田の、障がいのある方のためのグループホーム「詩の郷」です。
グループホームでの暮らしを始めてしばらくすると、「なんとなく居心地が悪い」「ちょっと違和感がある」「今のホームが合わないかも」などと感じることがあるかもしれません。そんなとき、いきなり転居を考える前に、まずはその違和感の原因を探ってみることが大切です。その上で、自分に合った対応を見つけていく――今回は、そんなプロセスを4つの視点からご紹介します。
◇まずは、原因を探ってみる
「なにが合わないのか」「どこで違和感を覚えるのか」──原因が分かることで、気持ちが整理されたり、次の一歩が見えやすくなることがあります。以下のような方法を参考に、自分の心にそっと問いかけてみてください。
- 思いをノートに書き出してみる:「なんでかな?」「どうしてそう感じたんだろう?」──頭の中で考えるだけでなく、文字にすることで、自分の気持ちや違和感の理由に気づきやすくなることがあります。
- 疲れやすいタイミングを振り返る:どんなときに気力が落ちるのか、体が重くなるのか──疲れやすさのパターンに気づくことで、自分がどんな場面でストレスを感じているのかがはっきりしてくることがあります。
- 理想の状態をイメージする:「こうだったらいいな」と思う暮らしを想像してみることで、自分が大切にしたいことや、何が足りていないと感じているのかが見えてくるかもしれません。そのうえで、現実とのギャップをどう埋めていくか──少し変えてみたいこと、周りに相談してみたいことが見つかれば、それが前向きな一歩につながります。
◇見えてきた原因に応じて、4つの方向から考えてみましょう
原因を整理してみると、その対処法は大きく4つの方向に分けて考えることができます。
- 自分の心で対処できそうなとき
違和感の原因が、自分の受け止め方や気持ちの整理によって軽くなるようなものであれば、心の向き合い方を少し変えてみるだけで、感じ方がやわらぐこともあります。以下のような工夫が考えられます。
- 慣れていないだけかも:新しい環境に順応する途中で感じる違和感は、一時的なものかもしれません。
- 考えすぎない工夫:「こういうこともある」と軽く受け止めたり、「あえて深く考えすぎない」ようにすることで、気持ちが楽になることもあります。客観的に「たいしたことではない」と自分で思えるなら、考えすぎないことも大切な知恵です。
- 自分の行動で変えられそうなとき
気持ちの問題だけでなく、実際の過ごし方や生活のリズムが合っていないことが違和感の原因になっていることもあります。そんなときは、自分の行動を少し変えてみることで、過ごしやすさがぐっと増すことがあります。たとえば、次のような工夫があります。
- 生活の工夫:部屋の使い方や過ごす時間帯を工夫することで、気になることが減る場合があります。自分にとって心地よいリズムを探してみましょう。
- 外時間を大切に:グループホームの中だけでなく、外の活動に意識を向けてみるのもひとつの方法です。通所先や日中の居場所を軸にした暮らし方で、気持ちが安定する人もいます。
- 人との関係性に課題がありそうなとき
入居者同士の関係、支援者との関係――グループホームでは、さまざまな人との関わりがあります。その関係がちょっと負担に感じられるときは、無理に合わせようとせず、自分に合った距離感を探してみることが大切です。
- 入居者とのちょうどいい距離を見つける:共有スペースでのちょっとした会話や雰囲気が気になってしまう、話しかけられる頻度に疲れる……そんなときは、関わり方を工夫してみましょう。過ごす時間帯をずらしたり、やんわりと応じる方法を考えることで、ストレスを減らせることがあります。
- 支援者に希望や気持ちを伝えてみる:支援の内容や声かけのタイミングが合わないときは、小さなことでも伝えてみるのがおすすめです。「こうしてもらえると安心できる」「このタイミングはちょっとしんどい」など、自分のペースを伝えることで、お互いにとって心地よい関係が築けることもあります。
- やっぱり環境そのものが合わないと感じたとき
どれだけ工夫しても、「やっぱりここでは落ち着かない」と感じる場合には、環境そのものを変えるという選択もあります。
- 見学という選択:他のグループホームを見学してみることで、「ここなら合いそう」と感じる場所が見つかることもあります。無理に今の場所にとどまらず、選択肢を広げてみるだけでも、気持ちが軽くなることがあります。見学した結果、「やっぱり今のホームのほうが安心できる」と感じることもあります。それもまた、大切な気づきです。
- 環境の切り替え:転居という選択は、決して逃げではありません。自分に合った暮らしの場を探すことは、前向きな一歩です。相談支援専門員などと一緒に、段階的に進めていけます。
◇詩の郷は、選択のひとつひとつに寄り添います
私たちは、「今のままで大丈夫かな」と思ったときこそ、大切にしたい気持ちがあると考えています。無理に変えようとせず、誰かに相談しながら、少しずつ“自分らしい暮らし方”を見つけていけたら――詩の郷は、そんな一歩一歩を一緒に考えていきたいと思っています。