こんにちは、詩の郷です。
日々の暮らしの中で、病院に通うことや薬を飲むことは、健康を保つうえで欠かせない大切な習慣です。
だからこそ、その時間が安心して過ごせるよう、私たちはそばで寄り添い、必要なときにそっと手を差し伸べる支援をおこなっています。
今回は、「自立支援医療制度」との関わりもふまえながら、グループホームでの通院や服薬の支え方についてお話しします。
◇継続的な精神医療の通院を支える「自立支援医療制度」
この制度は、精神疾患に関する継続的な外来治療を受ける方の、医療費の自己負担を軽減するための仕組みです。
精神科や心療内科などで治療を続ける方が、安心して通院を続けられるよう支える制度として、多くの方が利用しています。
・精神疾患に関する通院治療が対象
対象となるのは、統合失調症やうつ病、不安障害、てんかんなどの精神疾患に関する通院治療です。診察、処方、デイケア、訪問看護などが含まれ、原則として自己負担は1割になります。生活保護を受けている方は自己負担が免除されます。
※風邪や肺炎、骨折や外傷などの身体的な病気やけがは、原則として制度の対象外ですが、精神疾患の影響によって起きたものであると医師が判断し、診断書に記載された場合は、例外的に対象となることもあります。
・必要な書類を準備して申請する
市区町村の窓口で申請をおこないます。申請には、医師の診断書、自立支援医療受給者証の交付申請書、マイナンバー、本人確認書類などが必要です。申請時には、どの医療機関で治療を受けるかも指定する必要があるため、事前に確認しておきましょう。
・制度利用のサポートも、支援のひとつ
多くのグループホームでは、申請手続きや更新に不安のある入居者さんに対し、書類の準備や窓口への同行などの支援をおこなっています。「精神疾患の治療を安心して続けられるように」という視点から、制度の利用がスムーズに進むようサポートするのが大切です。
◇本人の状態に合わせて、安心と自立を支える通院支援
通院支援では、病院までの同行やスケジュール管理など、さまざまな配慮が求められます。
通院を負担に感じすぎず、安心して医療とつながれるよう支援のかたちを調整しています。
・状況に応じた付き添いと自立へのサポート
体調や通院先との関係により、付き添いの必要性を検討します。ひとりで行けるよう支援する場合もあります。状況に応じて段階的に見守り方を変えることで、無理のない自立につなげています。
・診察前後のサポートで安心を支える
医師に伝えたいことを事前に整理し、必要があれば支援員が同席してサポート。診察後は内容を一緒に振り返り、安心につなげます。
・医療機関と連携しながら見守る体制を
通院内容は記録に残し、スタッフ全体で共有。医療機関と連携をとりながら、継続的な見守りをおこないます。
◇服薬支援は“見守り”と“自立”の両立をめざして
ただ手渡すだけではなく、入居者さんの理解や意思も大切にしながらおこないます。一人ひとりの状況に応じて、無理のない方法で習慣づけを支えています。
・毎日の声かけや確認で、服薬の習慣を支えます
決まった時間に声をかける、薬の数を確認するなど、日常の中で自然な関わりを意識しています。
・一人ひとりに合わせ、プライバシーに配慮した管理
必要に応じて鍵付きの保管や仕分けをおこないながらも、本人の管理能力に応じて柔軟に対応します。
・“飲みたくない”気持ちにも寄り添います
無理に飲ませることはせず、理由を聞いたり医師に相談したりして、本人の気持ちを尊重した対応を心がけています。
◇詩の郷では、制度と暮らしをつなぐ支援をおこなっています
詩の郷では、医療とのつながりを一人で抱え込まずにすむよう、申請や更新の手続きや薬の管理を通して支援しています。
日々の変化にも目を配りながら、一人ひとりに合わせた関わりで、安心して制度を活用できるよう努めています。