こんにちは、詩の郷です。
「自立」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか? ひとりで何でもできる状態を想像する方もいるかもしれません。
でも、障がいのある方が誰かの手を借りながら、自分なりの暮らしを少しずつ整えていくことも、立派な“自立”のかたちです。今回は、そんな自立を目指す方々を支える「自立訓練(生活訓練)」について、わかりやすくご紹介します。
◇地域で暮らす力を育てる「自立訓練」
自立訓練は、障がいのある方が地域で自分らしく暮らしていくための準備を支える福祉サービスのひとつです。
日常生活に必要な力を身につけるのが目的で、その人らしい暮らしへの一歩を支えます。
対象となるのは、たとえば次のような方々です。
- 将来的に一人暮らしを目指している方
- グループホームでの生活を検討している方
- 家族と同居しながら生活スキルを高めたい方
- 社会との関わりを少しずつ広げたい方
- 就労を視野に入れつつ、生活の基盤を整えたい方
◇生活の中で「できること」を広げる
自立訓練では、支援員と一緒に、実際の暮らしに役立つスキルを少しずつ身につけていきます。
たとえば、こんなことを練習します。
- 掃除や洗濯、食事の準備といった家事
- 生活リズムを整える取り組み
- 対人関係の築き方
- 買い物や公共交通機関の利用
- 金銭管理の練習
◇自分らしい暮らしを目指して
「自立」という言葉には、すべてを一人でこなすイメージがあるかもしれませんが、本当に大切なのは「自分らしく暮らす」こと。誰かの支えを受けながら、自分で選び、決めていくことも立派な自立のかたちです。
自立訓練では、その人のペースや希望に寄り添いながら、安心して次のステップへ進めるようにサポートします。
◇自立訓練を受けられる場所
自立訓練(生活訓練)は、障がいのある方の地域生活を支えるために、さまざまな機関で提供されています。
一人ひとりのニーズに合わせたプログラムを通じて、生活スキルや社会性を育む支援が、主に以下のような機関で受けられます。
- 障害者支援施設:日中活動の一環として、自立訓練を提供しています。
- 障害福祉サービス事業所:通所型の事業所で、生活訓練を実施しています。
- 訪問型サービス:利用者の自宅を訪問し、生活訓練を行う形式もあります。
これらの施設は、「障害者総合支援法」に基づいて運営され、生活スキルの向上や社会との関わりを深めることを目的としています。
◇詩の郷も、自立した暮らしを支えます
詩の郷は、ある程度自立した生活ができる方を対象に、共同生活援助(グループホーム)として、入居者さんが安心して暮らせる環境を整えています。
対象となるのは、次のような条件を満たす方です。
- 18歳以上65歳未満で、障がい者区分認定を受けている方
- 共同生活が可能な方
- 将来は自立した生活を目標とし、ご本人が入居を希望し、ご家族の同意がある方
- 詩の郷での暮らしを維持するための一定の収入がある方
- 日中は就労継続支援所やデイケアなどに通われている方
上記の条件を満たしていれば、生活保護受給者の方もご利用いただけます。
日常生活の支援や家事のサポート、健康管理や金銭管理、服薬の見守り、行政手続きの支援、ご家族との連絡や地域とのつながりなど、スタッフがさまざまな場面で寄り添い支援しています。
日々の暮らしの中で「これならできるかも」ということを少しずつ増やしていきながら、周囲と支え合い、その人らしい自立のかたちを育んでいく。
それが、詩の郷の大切にしている思いです。