ノーマライゼーションとは

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こんにちは、障害のある方ためのグループホーム「詩の郷」です。
今回は「ノーマライゼーション」についてお話しします。この言葉を初めて聞く方もいらっしゃるかもしれませんが、障害のあるなしに関わらず、すべての人が暮らしやすい社会をつくるための大切な考え方です。

◇ノーマライゼーションとは

ノーマライゼーション(Normalization)とは、「すべての人が分け隔てなく、当たり前に暮らせる社会を目指す」という社会のあり方を示す言葉です。障害のある方だけでなく、高齢者や子どもを含め、誰もが快適に生活できる環境づくりを目的とします。この言葉は、1950年代にデンマークの学者バンク=ミケルセン氏が提唱し、その後世界中に広まりました。

◇障害福祉におけるノーマライゼーション

ノーマライゼーションの基本は、障害のある方が地域の一員として自然に暮らせる社会をつくることです。そのために、障害者支援制度や福祉サービスが整備され、バリアフリーの推進や、インクルーシブ教育(共生教育)などが進められています。インクルーシブ教育とは、障害の有無に関係なく、すべての子どもが同じ場所で学ぶ仕組みです。共に学び、多様性を受け入れる社会を育みます。

◇日本での取り組み

日本でも、ノーマライゼーションの考え方が広まり、障害者総合支援法などの法律や施策が整えられました。その一環として、以下のような制度や仕組みが整えられています。

・障害者雇用促進法による就労支援
・バリアフリー法による建物や交通機関の整備
・特別支援教育の充実

これらの取り組みにより、障害のある方が地域でより安心して暮らせる環境が整いつつあります。

◇誰もが歩きやすい街づくり

ノーマライゼーションの理念のもと、日本各地でバリアフリーな街づくりが進められています。高齢者や障害のある方を含め、誰もが安全に移動できる環境を整えるための取り組みです。以下はその一例です。

・京都市の「歩くまち・京都」プロジェクト
京都市では、歴史ある街並みを守りながら、歩行者が安全に移動できる環境整備を進めています。四条通の歩道拡幅や、駅周辺のバリアフリー化など、観光客だけでなく、地元の方々も快適に移動できる街づくりです。

・神奈川県の「みんなのバリアフリー街づくり条例」
神奈川県では、すべての人が快適に生活できる街を目指し、バリアフリーの整備を条例で義務化しています。新しい建物にはスロープや手すりの設置が求められ、高齢者や障害のある方が安心して利用できる環境が整えられています。

・障害当事者の意見を取り入れた仙台市のバリアフリー化
仙台市では、地下鉄東西線の整備にあたり、障害当事者の意見を取り入れ、車椅子利用者が介助なしで乗降できるよう配慮されました。駅構内のスロープやエレベーター、音声案内の充実など、あらゆる人が快適に利用できるよう工夫されています。

◇共に生きる社会を目指して

ノーマライゼーションは、すべての人が支え合いながら暮らせる社会を目指す考え方です。その実現には、一人ひとりの理解と協力が欠かせません。
「詩の郷」でも、地域とのつながりを大切にし、安心して自分らしく過ごせる場を提供しています。たとえば、段差に困っている人を手伝ったり、そっと声をかけること。こうした小さな気づきや行動の積み重ねが、誰もが暮らしやすい社会につながることを願っています。