障害者手帳は、障害のある方が必要な支援を受け、安心して生活するための公的な証明書です。
取得すると、医療費の助成や税制優遇、公共交通機関の割引など、さまざまな支援制度を利用できます。
ただし、申請手続きは少し複雑で、どのように進めればよいのか迷うこともあるかもしれません。
ここでは、障害者手帳の種類や取得方法、そして有効期限や更新の手続きについて、分かりやすく解説します。
◇障害者手帳の種類
障害者手帳は、大きく3種類に分かれていますが、対象となる障害や支援内容、等級の基準には違いがあります。ここでは、それぞれの特徴を簡単に説明します。
≪身体障害者手帳≫
- 対象となる障害
視覚障害、聴覚・平衡機能障害、音声・言語・そしゃく機能障害、肢体不自由(上肢・下肢・体幹)、内部障害(心臓、腎臓、呼吸器、膀胱・直腸、小腸、免疫、肝臓など) - 等級の仕組み
手帳の交付対象となる等級は、1級から6級までです。障害の重さは1級が最も重度で、6級が最も軽度に分類されます。7級は、単独では手帳の交付対象になりませんが、複数の障害を合算して認定されることもあります。例えば、視覚障害と聴覚障害がそれぞれ7級に該当する場合、単独では交付対象外ですが、両方を合算して6級の手帳が交付されるケースもあります。 - 受けられる主な支援
医療費助成、補装具の支給、税制優遇、公共交通機関の運賃割引、公営住宅の優先入居、生活支援サービス、各種手当(障害基礎年金、特別障害者手当、障害児福祉手当など) - 有効期限と更新
原則として有効期限はありません。ただし、障害の状態が変化した場合には再認定を受ける必要があります。
≪療育手帳≫
- 対象となる障害
知的障害 - 等級の仕組み
A(重度)、B(中軽度)に分類されます。さらに細かく分けられている自治体もあり、横浜市では、A1(最重度)、A2(重度)、B1(中度)、B2(軽度)の4つの区分です。 - 名称の違い
「愛の手帳」(東京都)、「みどりの手帳」(埼玉県)など、自治体によって異なります。 - 受けられる主な支援
医療費助成、税制優遇、公共交通機関の運賃割引、公営住宅の優先入居、生活支援サービス、各種手当(特別児童扶養手当、心身障害者福祉手当など) - 有効期限と更新
多くの自治体で、18歳未満は2~4年ごとに更新、18歳以上は10年ごとの更新です。ただし、東京都など、成人後には更新の必要がない自治体もあります。そのため、詳しくはお住いの自治体の窓口にお問合せください。
≪精神障害者保健福祉手帳≫
- 対象となる障害
統合失調症、うつ病、発達障害などの精神疾患 - 等級の仕組み
1級(介助が必要)、2級(日常生活に著しい支障がある)、3級(社会生活に支障があるが自立可能) - 受けられる主な支援
医療費助成、税制優遇、公共交通機関の運賃割引、公営住宅の優先入居、生活支援サービス、障害者雇用枠での就職支援、各種割引制度(通信料金の割引、高速道路料金の割引、NHK受信料の減免など) - 有効期限と更新
有効期限は2年間で、2年ごとに更新が必要。
◇障害者手帳の申請方法
≪身体障害者手帳の申請方法≫
- 申請先
市区町村の障害福祉担当窓口 - 必要書類
身体障害者手帳交付申請書(市区町村の窓口で入手)
診断書、意見書(市区町村で指定の用紙を受け取り、15条指定医に記入してもらう)
※15条指定医とは、「身体障害者福祉法第15条」に基づいて、身体障害者手帳の診断書や意見書を作成できる医師のこと
本人の写真(縦4cm×横3cm、無帽・上半身、1年以内に撮影)
印鑑(市町村によっては不要)
マイナンバーカード(本人確認書類) - 手続きの流れ
1. 市区町村の窓口で申請書を取得し、必要書類を準備
2. 指定医を受診し、診断書を作成してもらう
3. 必要書類を市区町村窓口へ提出
4. 申請内容の審査と等級判定(障害程度審査委員会等での審査を含む)
5. 手帳の交付(申請から約1カ月半~2カ月)
≪療育手帳の申請方法≫
- 申請先
市区町村の障害福祉担当窓口 - 必要書類
療育手帳交付申請書(市区町村の窓口で入手)
本人の写真(縦4cm×横3cm、6カ月以内に撮影)
印鑑(市町村によっては不要)
知的障害判定を受けるための資料(母子手帳、学校の成績表など)※自治体によって異なる - 手続きの流れ
1. 市区町村窓口で申請書を提出し、判定機関(児童相談所や更生相談所)で判定予約をする
2. 判定を受ける(心理判定員・小児科医による面接や聞き取り)
3. 判定結果をもとに手帳が交付(申請から約1か月〜2カ月)
≪精神障害者保健福祉手帳の申請方法≫
- 申請先
市区町村の障害福祉担当窓口 - 必要書類
精神障害者保健福祉手帳交付申請書(市区町村の窓口で入手)
本人の写真(縦4cm×横3cm、6カ月以内に撮影)
障害年金を受けている方は障害年金証書の写し、障害年金を受けていない方は診断書
印鑑(市町村によっては不要)
マイナンバーカード(本人確認書類) - 手続きの流れ
1. 市区町村窓口で申請書を提出
2. 診断書などをもとに審査と等級判定
3. 手帳が交付(申請から約2カ月~2カ月半)
※申請手続きや必要書類は自治体によって異なるため、事前に市区町村の障害福祉担当窓口で確認してください。
◇まとめ
障害者手帳の申請方法や更新手続きは、手帳の種類や自治体によって異なります。
申請前に、お住いの自治体にて必要書類や手続きの流れを確認し、余裕を持って準備を進めることが大切です。
手帳を取得して受けられる支援を活用し、より快適な生活を送るための助けにしてください。