こんにちは、鹿児島市荒田の障がい者グループホーム「詩の郷」です。
障がい福祉サービスを利用している方にとって、「支援区分(障害支援区分)」は、暮らしを支えるための大切な基準です。その区分が下がると、利用できるサービスが減り、不安を感じる方も多いと思います。今回は、支援区分が下がったときの影響と、安心して暮らしを続けるための工夫についてお伝えします。
◇ 支援区分とは?
支援区分は、障がい福祉サービスをどのくらい利用できるかを決める基準です。1から6までの段階があり、数字が大きいほど支援が必要とされる度合いが高いとされます。
【図解イメージ】 軽 1 ── 2 ── 3 ── 4 ── 5 ── 6 重
支援区分には、以下のように重要な側面があります。
- 支援の内容を決める土台: 利用できるサービスの時間や内容を決める土台になります。
- 専門家の聞き取りをもとに判定: 医師の意見書や調査員による聞き取りをもとに判定されます。
- 暮らしと直結する: 区分が高ければ支援を多く受けやすく、低ければサービスが限られるため、日常生活に直結します。
※包括サービスでは、日中や夜間の支援もサービスの範囲内で対応できます。
◇ 支援区分が下がると暮らしにどんな影響があるのか
支援区分が下がると、利用できるサービスの量や内容が変わり、生活に直接的な影響が出ます。早めに相談の場を持つことが安心につながります。
- サービス時間が減少する: ヘルパーさんの利用時間が短くなったり、日中活動の利用日数が減ることがあります。
- 生活リズムが崩れる: 支援が減ると、普段の生活リズムや安心感が揺らぎやすくなります。
- これまでの支援を維持するための調整が必要: 支援の必要性が軽く見られて区分が下がると、これまで利用できていた支援が減ってしまいます。そのため、生活に支障が出ないように、相談支援専門員や事業所と一緒にサービスの内容や組み合わせを調整する必要が出てきます。
◇ 区分が下がった理由を理解する
区分が下がった背景を理解するのは、今後の対応を考える上で欠かせません。理由を知ることで、改善の糸口が見えてきます。
- 医師や調査員による評価が理由: 区分は医師が作成する意見書と、市区町村から委託された調査員がおこなう認定調査をもとに決まります。身体や生活の状態が「安定している」と判断されると、区分が下がることがあります。
- 調査時に困りごとが伝わっていない: 調査のときに普段の困りごとが十分に伝わらなければ、実態と異なる評価になってしまいます。
- 理由を整理して次の一歩につなげる: まずは区分が下がった理由を確認し、納得できるかどうかを整理してから次の対応を考えましょう。
◇ 区分が下がったときの対応策
必要な支援を受け続けるためには、できることをひとつずつ行動に移すのが大切です。
区分が下がっても、生活の安心を守るために活用できる仕組みや工夫はあります。
- 専門家に相談して支援を見直す: 支援が足りなくて生活に支障が出るときは、相談支援専門員や主治医に早めに相談しましょう。
- 再調査や不服申立てで改善を求める: 状況に応じて、市区町村に再調査や不服申立てを申請できます。手続きを進めるのはご本人やご家族ですが、相談支援専門員に相談すると安心です。申請の流れや必要な書類を一緒に確認してもらえるので、不安なく取り組めます。日常の困りごとを記録しておくと、説得力が増します。
- 優先度を決めて必要な支援を確保: 実際にその支援を提供している事業所と相談支援専門員が連携して「どの支援が最も必要か」を整理し、限られた時間内で優先度の高い支援を確保します。
- 制度や民間サービスを併用する工夫: 地域の制度や民間サービスを組み合わせ、生活の支えを広げていきましょう。
◇ 詩の郷での取り組みと想い
詩の郷では、入居者さんが安心して暮らし続けられるよう、一人ひとりの状況に合わせたサポートを大切にしています。支援区分が下がり、不安を抱えるときも、一緒に生活の工夫を考えながら、穏やかな日々につなげていきます。
区分の数字にとらわれすぎず、その方にとって必要な支えを届けること。それが私たちの想いです。困ったときには、どうぞお気軽にご相談ください。


