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買い物やお出かけがしんどい日―ゆるやかな支援の工夫

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「今日はちょっと外に出たくないな…」そんなふうに感じる日は、誰にでもあります。しんどい日には無理をせずに過ごすことも大切ですが、どうしても外出が必要な日もあるかもしれません。 そんなときのために、日常生活を支える仕組みや制度が用意されています。障がいのある方が、自分のペースで安心して過ごせるよう、その人に合った支援を選んだり、周囲と相談しながら活用することができます。

買い物に行けないときも安心できる仕組みがあります

体調や気分によって、買い物に出かけるのが難しい日もあります。そんなときにも、生活を支える方法があります。

  • 居宅介護(家事援助):支援員が代わりに買い物をしてくれる制度です。原則として、障害支援区分3以上の認定や、サービス等利用計画が必要になります。
  • 通院等介助(身体介護型):病院やクリニックでの診察、薬の受け取り、検査、リハビリへの通院など、生命や身体の維持に関わる外出に限定されますが、支援員による同行が可能です。原則として、居宅介護を利用できる方(障害支援区分3以上など)が対象ですが、子どもや特定の医療的配慮が必要な方など、状況によっては例外もあります。
  • 日中活動先での買い物支援:B型事業所やグループホームなど、障害福祉サービスを提供する施設では、その方針や利用者の状況に応じて、スタッフと一緒に買い物に出かける支援がおこなわれることがあります。制度として定められているわけではありませんが、生活の一部として柔軟に支援されるケースがあります。
  • ネット注文のサポート:カタログやスマホを使って、スタッフと一緒に注文。外出せずに食材や日用品を入手できます。制度として定められているものではありませんが、必要に応じて現場の判断で取り入れられている支援のひとつです。

誰かと一緒なら出かけられる――そんな方への外出支援制度があります

「ひとりで出かけるのは不安だけど、付き添いがあれば…」という声に応える制度があります。

  • 移動支援(地域生活支援事業):自治体が実施している制度で、社会参加を目的とした外出(買い物や余暇など)に使えます。対象者や内容は自治体によって異なります。
  • 行動援護(自立支援給付):知的・精神障がいのある方で、行動に著しい困難がある方が対象です。外出時の見守りや、パニック時の対応など、移動支援よりも手厚いサポートが受けられます。
  • 同行援護(自立支援給付):視覚障がいのある方向けの支援です。周囲の情報提供や、移動の介助、代読・代筆などが含まれます。

※移動支援は自治体の制度、行動援護と同行援護は国の制度で、対象者や支援内容が異なります。これらの制度は、互いに補い合う形で組み合わせて使われることもあります。

制度がなくても安心感を支える工夫があります

制度を使わなくても、身近な支援や声かけで心が軽くなることもあります。

  • 予定の幅をもたせる:「行けるかもしれないけど、行けないかもしれない」予定を組むことで、気持ちに余裕が生まれます。
  • 外出前の段階でサポートする:スタッフが一緒に準備だけ手伝う、声かけをすることで、安心して検討できるようになります。
  • 次のタイミングの話をしておく:体調や気分を見ながら、その日は外出しなくても、次の買い物の相談をスタッフと一緒にしておくなど、小さな関わりが安心感につながることもあります。

制度を使えないときに、頼れる場所があります

軽度の方や制度の対象外になった場合でも、地域や状況によって支援の道はあります。

  • 身近な人の協力を得る:民間の有償ボランティアや、家族・知人の協力を活用することも選択肢です。
  • 地域独自のサービスを探す:自治体によっては、福祉制度外でも使える移動支援サービスがある場合があります。
  • 専門家に相談する:まずは制度の活用や地域資源について、相談支援専門員に話してみることをおすすめします。

詩の郷では、無理のない日常を一緒に作っています

体調や気持ちの波に合わせながら、その人らしい日常を支えるのが、詩の郷の支援です。出かけられない日があっても大丈夫。
相談しやすい雰囲気の中で、一人ひとりに合わせたやさしい関わりを大切にしています。